令和6年度試験 講師講評
みなさん、こんにちは。
フェニックスアカデミーのトミーこと、講師の富田 朗です。
令和6年度試験から、10日ちょっと経ちましたね。もう、試験のお疲れは取れたでしょうか?また、予想正答との答え合わせはされたでしょうか? このお知らせでは、令和6年度社労士試験の講師講評、予想合格ライン等について、掲載しました。どうぞご覧ください。
【全体について】
選択式、択一式ともに、難問も含まれていましたが、全体的に見ると、例年と同等のレベルだったと分析しています。
また、昨年と比べてみると、選択式は昨年よりも少し易し目、択一式は昨年よりも少し難し目であったと分析しています。
⇒各科目については、下記の、選択式、択一式の科目ごとの講評をご覧ください。
選択式の合格ラインとしては、総合点は27点±1点、このうち、労一には科目救済措置が入る可能性があると予想します。
択一式については、総合点で44点±1点と予想します。また、科目救済措置はない可能性が高いと予想しています。
【選択式について】
選択式の問題については、労一が得点しずらい問題で、あわせて国民年金法の問題については、救済は入らないまでも、あまり点数が取れなかった方が多いのではないかと予想しています。
次のように分析しています。
【労基・安衛】
労働基準法については、A、Bが取れる肢で、確実に取ってほしい肢でした。一方、Cは初めて見る内容だったので埋めにくかったと思います。
労働安全衛生法については、Dは細かい内容なので埋めにくく、一方、E肢は確実に取りたい、容易な内容であったと思います。
全体としては、確実に取れるのはA、BとE、これに残りのC、Dから1点プラスできれば十分という問題だと思います。
【労災保険法】
AからDまでは、容易な問題で確実に取ってほしいものでした。Eについては、選択肢の中で迷ってしまったという方が少なからずいらっしゃることと思います。
全体には、AからDの4点を確実に取っておければ十分だと思います。
【雇用保険法】
AからCは、出生時育児休業に関する問題でした。少なくとも、B、Cは確実に取りたい、取れるレベルの問題でした。また、Dは個別延長給付の日数に関する問題で、こちらも確実に取りたいレベルです。Eは、落ち着いて考えるとどうということはない問題なのですが、試験会場では間違えてしまった方もいらしたかなと思います。
BからDまでの3点を確実に得点し、そこにできればもう1点プラスしたいという問題でした。
【労働一般】
法令の知識で確実に取れるのはE肢のみでした。あわせてB肢は類推できたかなと思います。残りの肢については、C肢が目にしたことがある文言のハズなので、これだろうと類推できれば、加点出来たかと思いますが、間違えてしまう可能性も高いので、得点分布によっては救済が入る可能性があると予想しています。
【社会一般】
社会一般では、目的条文が出題されました。トミーの社労士合格ゼミの受講生の皆様に繰り返し申し上げていたように、目的条文が出題されました。この、CからEは確実に取りたい肢です。また、B肢は、高齢化率のイメージが持てていれば類推できたかと思います。A肢は変な問題です。
全体としては、C、D、Eの3肢+AかBのどちらか、トータル4点取りたいレベルの問題でした。
【健康保険法】
救済が入るまでではないと見ていますが、難し目の問題でした。まず、CとDは確実に取りたい肢です。その他、Bで加点できれば十分です。A肢は取れない、E肢は選びにくいと思います。
全体には、BからDまでの3点を確実に取りたい問題でした。
【厚生年金保険法】
全体に易し目で、C肢が少し選びにくいかなと思いますが、すべてテキストレベルの問題で、4点は取りたい、あるいは満点も狙えるのではないかという問題でした。
【国民年金法】
AからCは、ノーマークだった方も案外多かったのではないかと思います。逆に、DとEは基礎的な内容で、確実に得点したい問題でした。
全体には、DとEを取り、AからCまでのうちから1点追加できれば十分ではないかと思います。
選択式の各科目については以上のようなことを考慮し、上の【全体について】に記した合格ラインを予想しました。
【択一式について】
択一式の問題については、一般常識と健康保険法が難しかったと思います。この2科目では得点が伸びなかった可能性が高いです。
【労基・安衛】
労働基準法、労働安全衛生法のいずれも、例年並みといったレベルでした。問2で新しい形の出題があったことが一番のトピックスです。
点数的にも、全体では、例年並みの7点ぐらいを得点したいレベルでした。
【労災・徴収】
労働者災害補償保険法は難しく、徴収法は例年並みのレベルでした。
法改正事項として出題されることを予想していた「心理的負荷による精神障害の認定基準」については、目を通していたかどうかで得点できたかどうかの違いが出たかなと思います。やはり、法改正事項は出やすいと言えます。また、問5については、エ肢とオ肢について、原則的な内容として捉えて正しい肢と判断するのか、除外事由が書かれていないから誤りの肢と判断するのかという(問題の内容ではなく)捉え方によって、選ぶ答えが違ってくる問題です。この問題は、講師の目から見ると、率直に申し上げて、稚拙なレベルの問題で、社労士試験の出題レベルのものではありませんでした。
徴収法については、問8、問9は正解肢が選びやすい、取れる問題だったかと思います。3問中2問取れると考えると、例年並みのレベルと判断していいかと思います。
全体では、5点から6点ぐらい得点したいレベルでした。
【雇用・徴収】
雇用保険法については、例年通り、行政手引や通達からの出題が多かったのですが、得点できるかどうかという目で見ると、得点しやすい問題が多く、全体のレベルとしては、例年より易し目であったと分析しています。
徴収法については、3問中2問(問8と問10)は得点しやすいレベルの問題でした。全体のレベルは例年並みと判断しています。
全体では7点以上得点したいレベルでした。
【一般常識】
労働一般については、問1、問2が労働経済の問題だったのですが、やはり取りずらい問題でした。問3~問5については、知らない事項であったとしても、常識的に考えて正誤を類推できる内容等が出題されていたりしたことから、1点~2点は得点できる内容であったと思います。
社会一般については、取りやすい問題が多かったです。問10は、落ち着いて考えれば、決して難しくないのですが、試験会場で問題を見た時には、全部の肢が正しく見えてしまったかもしれません。
全体では、5点取れれば十分というレベルでした。なお、4点は確保できるだろうと判断し、救済はないと予想しています。
【健康保険法】
通達などが含まれている問題が多くあり、難しかったです。その中では、問3、問6、問9、問10などが比較的取りやすい問題でした。
全体では、5点から6点ぐらい得点できればよいレベルです。なお、こちらも4点は確保できるだろうと判断し、救済はないと予想しています。
【厚生年金保険法】
昨年と同様に、テキストレベルの知識で考えさせる問題が多くありました。法令等の知識を基にして正誤を考えさせるものが多かったのですが、それらはテキストの知識で考えることができるもので、テキストでしっかり勉強して、各規定を理解していたかどうかが得点に反映されたことと思います。
この厚生年金保険法で高得点が取れたかどうかが、択一式の総合点に大きく影響したと思います。
全体では、8点ぐらい得点したいレベルの問題でした。
【国民年金法】
国民年金法も、厚生年金保険法と同じく、考えさせる問題が多くありましたが、やはり同様に、テキストの内容をしっかり理解していれば得点できるものでした。
この国民年金法でも、テキストの内容をしっかり理解していたかどうかが得点に反映されたものと思います。
全体には、こちらも8点ぐらい得点したい問題でした。
以上の科目ごとの内容を踏まえて、上記の【全体について】に記載した合格ラインを予想しました。なお、「正しいものがいくつあるか」といった個数問題が例年よりも多かったことが合格ラインに影響を与えることも加味して予想しています。
【予想正答について】
下記に、あらためて予想正答を掲載しておきます(8月27日に掲載したものと同じものです)。
以上になります。
ご覧いただきましてありがとうございました。
フェニックスアカデミー事務局
フェニックスアカデミー 富田
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